私の親しい友人は、20代か30代前半で出産した人がほとんどだったので、周りに不妊治療に病院へ通っている人はいませんでした。

私は、幸運なことに、それほど大きな病気をすることなく、30数年を健康に過ごしてきたということもあり、体に対しての妙な過信から、普通にしていたら子供はできる(自然妊娠できる)と思っていました。

また、「不妊治療は、特別なこと」という印象を持っていました。

妊活を模索しているとき、既婚の友人が妊娠したという嬉しいニュースが飛びこんできました。

その友達は私より年上なので、彼女も高齢妊娠です。

20代後半で結婚して結婚歴は長いのに、ずっと子供ができなくて悩んでいると言っていました。

当時の私は、妊活真っ只中。

子供ができなくて悩んでいた友人が妊娠したことは嬉しかったけど、なんだか焦りも感じてしまいました。

私も子供が欲しいと思っていて妊活中だよと伝えると、彼女は、なかなか子供ができなかったので、不妊治療をしている婦人科に通っていた、そして、やっと子供ができたと教えてくれました。

彼女の周りには、病院に通っている人は結構いるということも教えてくれました。

私が知らないだけで、不妊に悩んで病院へ通っている人は多いんだな、構えるほど特別なことでもないんだなと思いました。

実際、不妊治療に通っている女性はとても多く、クリニックに通ってみると、待合室の混み具合に圧倒されます。

たくさん席が用意されていても、いつも満席です。病院の外まで並んでいるというクリニックもありました。

不妊治療に婦人科に通うのに抵抗があった理由

普通、不妊治療については、女性から積極的にクリニックに通うというパターンが多いと思います。

子供が欲しいのに、夫がなかなか協力してくれなくて困るという話を聞いたことがありますから。

私たち夫婦の場合は逆で、どちらかというと私の方が消極的でした。夫が妊活に非協力的という夫婦に比べたら、私はとても恵まれていますね。

私が不妊治療に消極的だった理由は、「もともと病院嫌いな上にデリケートな科だったから」、「不妊治療は自然の流れに反していることをしているみたいで抵抗があったから」です。

病院、特に婦人科が嫌いだった

私は、病院というところが、とても苦手で嫌いでした。

病院が嫌いな理由は、何の検査をするのか、どういった検査をするのかという説明がしっかりしてもらえないことが多いからです。

あまり説明がないので、まるでモルモットのような気分になることがあります。

さらに、検査後も、重大な問題はなかったというのは分かっても、検査の結果、こういう結果がでたから問題なかったですよといった説明がもらえなかったり、薬の内容の説明もなく、ただ、薬出しておきますで終わったりで、なんだかよくわからない感じで診察が終わり、お会計をするというパターンが多いです。

医師や看護師は専門家で、よくわかっているのかもしれませんが、こちらは素人。

問題なかったです、薬出しておきますでは、よくわからないです。

そして、私の質問力が乏しいというのもあり、なかなかうまく聞き出すこともできないもどかしさがあったり。

さらに婦人科となると、デリケートな部位を診察されるので、恥ずかしさや不安もありますし、どんな検査をするのか、何をされるのかというのは、最初に教えてほしいと思います。

病院、とくに婦人科は苦手だったので、女性特有のトラブルを抱えても、なるべく我慢してやり過せるものはやり過ごす、どうしても無理という時のみ受診するようにしていました。

さらに、婦人科は、最初通った病院の男性医師が苦手だったので、できれば女医さんがいいなと思っていて、少し遠くても女医さんがいるクリニック通ってました。

こんな感じで、婦人科には滅多にかからないようにしていたので、慣れていないということもあるし、不妊治療がどういうものかわからないので、器具を入れて何をされるんだろう、何の注射を打たれるんだろうという不安から、不妊治療に抵抗がありました。

不妊治療は自然の流れに反していることをしているみたいで抵抗があった

子供ができなくて不妊治療をしている方を否定的に捉えたことはありませんでしたが、できれば自然妊娠を望んでいました。

不妊治療や人工授精、体外受精は、自然の流れに反しているようで、自分がするとなると抵抗がありました。

他の人はいいのに、自分だとなぜダメだと思うのか?不思議ですが。

いろいろな考え方の方がいて、どんな選択をするのかというのは自由だと思います。

もともと、私は軽い病気になっても、自然に治るなら、なるべく薬などは使用したくないタイプです。

医薬品より漢方がいいとか思ってしまうタイプです。

私が不妊治療に抵抗があったのは、たぶん、自分は自然妊娠できると思っていたからだと思います。

病気なら治療するしかありません。妊娠できないなら、妊娠するように病院に通うしかありません。

妊娠できる体なはずだから、自然に妊娠するのを待ちたいと思っていました。

だけど、私は、もう30代も後半になっていて、妊娠の確率が下がってくる年齢でした。

それに妊娠できない理由は、ハッキリわかることもあれば分からないこともあります。

不妊治療を終えた今、何が原因で妊娠しなかったのか、はっきりとは示すことはできません。

年齢による卵子の老化なのか、妊娠に至るまでの過程で、必要な機能がうまくいっていないのか。

それでも不妊治療で病院に通うことにした理由

婦人科に通うことや不妊治療に抵抗感があった私ですが、真剣に妊活するようになってから早めに専門医に通うことに切り替えました。

自分たちでするタイミング法は、雲を掴むようなもので、妊娠しない月日が続くと、精神的にもきつかったです。

毎月、排卵日を狙って関係をもつというのは、なかなか難しいです。

自分たちでの妊活は、排卵日を確実に知ることができません。

基礎体温や排卵日検査薬が、タイミングを持った後に変化して、今日がベストなタイミングだったと分かれば、再度子作りをします。

仕事など日々の生活のこともあります。

そんな気分じゃないけど、疲れているけど、排卵日かもしれないから妊活をとなれば、義務的になることもしばしばです。

さらに、生理が来たらリセットされて、落ち込みます。

結果ががなかなか出ない中で、妊活を継続していくのは、お互いの関係に支障をきたすこともあります。

妊活がうまくいかず、離婚する夫婦もいるくらいです。

なぜ妊娠できなかったのか、理由が分かれば対処のしようもありますが、タイミングがあっていなかったのか、他に原因があるのか不明ですから、お手上げです。

妊娠できる体なはずなんだけど、このまま自然妊娠を待っていたら、どんどん月日が経ってしまって、歳を取ってしまう。

そしたら、妊娠の確率も下がってしまう。もしかしたら、自然妊娠は無理かもしれない。

そんな風に不安を感じるようになりました。

夫から、不妊治療をしている婦人科が近くにあるから相談してみてはという提案があったとき、一瞬悩んだけど、私一人の問題じゃないし、お互いのためにもこのままではいけないということや、なかなか妊娠しない原因はどこにあるのか専門家に相談してみたいということから、不妊治療に通ってみることにしました。

結果的に、早めに専門医に通うことに切り替えたのは、とても良い判断でした。背中を押してくれた夫に感謝しました。

不妊治療に通ううちに抵抗感は消えていった

婦人科が苦手だった私ですが、不妊治療に通っているうちに、診察が嫌だという気持ちより、妊娠するということの方が大切だったので、慣れはしなかったけど、大丈夫になりました。

それに、良い先生やスタッフにも出会えました。

不妊治療に対する抵抗感については、通っているうちに薄れていきました。

不妊治療をしていて知ったことですが、人工授精は、自然妊娠とほとんど変わりません。

今、思い出したのですが、「試験管ベビー」という言葉を知っていますか?

私は、ずっと昔、子供のころ、この言葉を聞いたことがあります。

私が生まれたくらいのころ、イギリスで世界初の体外受精児が生まれました。ルイーズさんという女性の方です。

ということは、私と同じくらいの年齢の方ですね。

世界初ですから、賛否両論あったにちがいありません。「試験管ベビー」という言葉は、当時の科学者や政治家、宗教家などが論いるときにそう呼んだのだそう。

なんだか試験管という冷たい器具の中で赤ちゃんが育つ感じがして、響きからもあまり良い言葉ではないと思ってしまうのですが。

世界初の体外受精したことで、ルイーズさんや、そのご家族がとても大変な思いをしただろうなということが想像できます。

それから、30年以上が経ち、体外受精は、不妊に悩む人たちの救いの手として一般的になっています。

「試験管ベビー」という言葉は、今の今まで、すっかり忘れていました。

そして、その言葉のイメージと自分が経験した不妊治療と、とても大きなギャップを感じます。

子供のころ思っていた体外受精と、経験した体外受精は、全く別物に感じるのです。

私は、不妊治療や体外受精について知らなかっただけだと思います。

今は、ネット社会でいろいろな情報を手に入れることができます。

不妊治療の情報や体験談なども。

昔は不妊治療をしていることを隠している人が多かったですが、今はオープンにしている人も多いです。

まずは不妊治療について知ることが大切

世界初はイギリスの方でしたが、日本でも日本初の方がいたはずです。

きっと、マスコミがプライバシー関係なく報道したでしょうし、いろいろな考え方があるので、賛否あったと想像します。

今は、20人に1人が体外受精で生まれる時代と言われています。

私と同じように不妊治療をしたいけど、抵抗がを感じてしまうという方は、まずは、治療についてや実際やっている人の話を聞いて知ることから始めることをおすすめします。

不妊治療について知れば知るほど、薬を用いた不妊治療や人工授精、体外受精という方法に納得できるし、それがなぜ必要なのかということも理解できます。

それから、昔みたいに、不妊治療は、思っているほど特別なことではなくなっています。

不妊治療クリニックの待合室は、いつも患者さんで混みあっていました。

そして、良い専門家(病院の先生)に出会うことも大切だと思います。

不妊治療は、1周期ごとに、結果が出ます。妊娠できなかった、かすれもしなかったという結果が続いたとき、精神的にも辛くなることがあります。

私が通った病院の先生や培養士さん、看護師さんなどスタッフの方は、いつも真剣に患者さんと向き合ってくれていました。

良い病院に通えたことは、精神的にとても支えになりました。

お世話になった病院の先生、スタッフの方々に、本当に感謝しています。